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vol.77 拒絶

そろそろ、午前の診察の時間も終わる・・そんな雰囲気だった。
入院患者に食事を運ぶワゴンの音が廊下に響いてきた。
どの位ここで待っていたのかな。

待合に戻ろう・・・。
頭は浮いた感じだけど、足は重い。
矛盾だらけの体を動かして、待合まで歩いていた。


『会わない方がいい』
『お互いの為』

拓と恭が言った言葉が頭をよぎった・・。
けれど、ここでじっとしている自分にも嫌気がする。
何もせず、ただ待っている事が良いのだろうか・・・。
ただ、マナミの回復を祈っている事が本当に良いのだろうか・・・。


そう考えていると、自然と足が病棟へ繋がる階段へ方向を変えて、1段1段階段を上がった。
踊り場を折り返して2階へ上がると、特別な診察ができそうなフロアだった。
ここは違うな・・・そう思ってそのまま3階へあがった。


--- ナースステーション


ここで聞けば病室がわかるよね。
奥に居た看護婦さんを呼んでマナミの病室を聞いた。
5階、505号室。
もう一度階段に戻って、また1段1段ゆっくりと上がっていった。


不安・・・。
本当に良いの?これで良いの?
そう思うと立ち止まってしまう。
後ずさりする事は『マナミに対して逃げる』事になるのかな。
前に進む事が『誠意』になるのかな。
私・・・やっぱりわかんないよ・・・・。
私がマナミなら??どうするのが1番かな。
手すりに右手をあずけたまま、その場でうずくまって考えていた。




「sora???」
愛しい人の声がする『進行方向』であろう前を向くと、階段の折り返し地点、おどり場に恭が立っていた。
「きょ・・・」
そう私が言おうとした時、
「恭!!!!!!」
マナミの声が階段中を響かせた。
足音と共にマナミの姿が現れると恭に抱きついていた。
「恭、行かないで。どっか行くならまた死んでやるから」
マナミに抱きしめられている恭の顔は、あの時と同じ悲しそうな表情に戻っていた。
そして、一瞬マナミの方に視線をやった後、その悲しげな目で私を捉えた。
マナミは恭の視線の先に気付き、私の方を振り向いた。
「信じられない!どうしてsoraがいるの!!会いたくないって言ったじゃない」
恭に向かって怒っていた。

「マナミ・・・ゴメンネ・・・本当は会わない方が良いって言われたけど勝手に来たのは私だから・・・ゴメンネ」
「あやまる位なら、恭返してよ。恭はマナが良いって言ったんだから!」
「マナミ!!いいかげんにしろよ」
恭が途中でやめさせようとしても、マナミは止まらなかった。


「・・・・ゴメン・・・ナサイ」
涙が溢れて、頬を何度もつたった。
「だから、あやまる位なら、返してよ!!泣けば済むと思ってんの?」
「マナミ、部屋戻ろう?な・・部屋・・」
恭がやさしくマナミに言うと、マナミは急におとなしくなり「うん!」とだけ言って恭の手を握っていた。
そして、私に『ほらね?』そんな表情を向けて階段を上がっていった。

1人階段に残されて、1人ぽっちになって。
切なくて、悲しくて、どうしようもなかった。

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